昭和元禄落語心中(2~5巻)【八雲と助六篇】 雲田はるこ の感想

160203

八雲が語る昔話・・・
物語は2巻の途中から「八雲と助六編」へと進みます。
二人の落語家の出会い、成長、そして別れ・・・
小夏の両親の死の真相などが明かされていきます。

※以下ネタバレ注意です。

昭和元禄落語心中【八雲と助六篇】のあらすじネタバレ感想

これまでのお話はこちら

昭和元禄落語心中(1〜2巻)【与太郎放浪篇】雲田はるこ の感想
昭和の落語界を舞台に、昭和最後の大名人といわれる落語家とその周囲の人々のドラマを描く。 刑務所を出所したばかりの元チンピラ与太郎は、憧...

物語の舞台は戦前。
訳あって七代目有楽亭八雲の家に引き取られた少年、菊比古(のちの八代目八雲・与太さんの師匠ね)と、七代目八雲に弟子にしてほしいと突然押しかけてきた初太郎(のちの助六・小夏さんの父ちゃん)は、同日入門となり、ともに落語家への道を歩むことになりました。

正反対の性格な菊比古と初太郎ですが互いに切磋琢磨して噺家として成長していきます。

戦争が激化、世の中の娯楽は自粛ムード。召集や疎開などで東京から人々が離れていく中、七代目は、初太郎を連れて満州へ皇軍慰問に行ってしまいますが、足の悪い菊比古は連れて行ってはもらえず、おかみさんと疎開先へ。

やがて終戦を迎え、七代目と初太郎は無事帰国。菊比古と初太郎は成人し、前座から二ツ目へ。

初太郎は助六に改名。寄席にも客が戻り、満州慰問で腕をあげた助六はどんどん寄席の人気者となりますが、反対に自らの芸を見出せず、焦る菊比古を慰めてくれたのは、芸者のみよ吉でした。

そんな時、「鹿芝居」に出演し、成功したことをきっかけに、菊比古は自分の芸の意義を悟ります。
その後菊比古と助六は真打に昇進。
落語に人生を懸ける決意をした菊比古はみよ吉に別れを告げます。

一方、助六は落語の行く末の話をしているうちに師匠と口論になり、破門させられてしまいます。

互いに傷心の助六とみよ吉は慰め合い、やがて授かったお腹の子供と共に菊比古の前から姿を消してしまいます。

その後七代目八雲が亡くなり、菊比古は自分ではなく助六に「八雲」の名前を継がせるために、助六に会いに行きます。

とある温泉街で助六は落語を辞め仕事もせず、娘の小夏と二人で荒んだ生活を送っていました。みよ吉は他の男のところへ出て行ってしまっていました。

助六と小夏を東京に連れて帰る資金や生活費を稼ぐために、菊比古はその街で寄席を開きます。

しばらくして温泉旅館で二人会を開くことになり、街でその噂をききつけたみよ吉は、こっそり菊比古に会いにきました。

まだ菊比古へ未練があるみよ吉でしたが、二人の密会を立ち聞きした助六が部屋に入ってきて・・・

修羅場からの咄嗟の事故、助六とみよ吉は旅館の窓から転落し、帰らぬ人となってしまいます。

菊比古は小夏を引き取り東京へ。その後八代目八雲を引き継ぎます・・・


なげーよw すいません、簡潔にまとめるのヘタで。

ここまでが師匠の語った昔話、「八雲と助六篇」。

なんだろもう色々辛い八雲師匠と助六さんの過去のお話です。

みよ吉なあ、ちょっとどうなのこの人。でもだんなもだんなだし。仕方がなかったのかなあ。
ちょっと違うけど「夫婦善哉」思い出した。違うけど。

菊比古さんはみよ吉さんを愛していたの?それとも情みたいなもの?
このへんの菊比古さんの心情がわたしにはよく理解できず、ちょっとモヤモヤしました。

ちょっと上のあらすじに書ききれなかったのですが、七代目が亡くなる前に「助六」との因縁話なんかが語られるのですが、またこれもずーんとなります。

助六さんの「八雲」という名前への思いを考えると、師匠に継がせないと言われたり、破門させられたり、そりゃあ荒んでしまうわなあ・・・

この後物語は「助六再び編」へと進み、また現在の与太郎さんのお話に戻ります。
またまた新たな衝撃の事実なんかがあったりするのですが、続きはまた後日。

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