かくかくしかじか(全5巻)東村アキコ の感想

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少女漫画家を夢見る明子は、美大受験の為にとある絵画教室に通うことになり、そこで恩師・日高先生と出会います。今や売れっ子漫画家となった東村アキコの笑えて泣ける自伝漫画。2015年第8回マンガ大賞受賞。

※以下ネタバレ注意です。

かくかくしかじかのあらすじネタバレ感想

少女漫画家になることを夢見ていた林明子。「美大に進学し、在学中に漫画家としてデビューする」という人生計画実現の為に、高校3年で友人の紹介により絵画教室に通い始めます。
ところがその絵画教室の講師、日高健三先生は竹刀片手にアイアンクローのスパルタ指導。明子はこれまでの自信を打ち砕かれときには反発しながらも、はちゃめちゃな日高先生の厳しくも優しい指導の下、無事美大に合格。
その後の大学生活、就職、漫画家デビュー、出会い、そして別れ・・・と現在に至るまでの自身の人生を笑いあり泣きありで描いた自伝エッセイ漫画です。


途中まで、日高先生が既に亡くなっているとは知らずに読んでいたので、巻が進むにつれ、あれっ、まさか・・・と(´;ω;`)ウッ

思えば私には恩師と言える人がいないので、こんな人に出会いたかった。
日高先生はまるで少年のような人で、めちゃめちゃなんだけど真っ直ぐで、取っつきにくいんだけど本当は情に厚く優しい方です。こんな先生に出会い、色んな経験をしたおかげで、東村さんは面白い漫画が次々と描けるのだろうなあ。

当時若かった明子さんがね、日高先生に対して酷いなあと思うようなことをちょいちょいしたりするんですよね。
今の年齢になって、そのことに対して申し訳なかったなあと後悔しながらこの漫画を描かれていたのがすごく感じられるのですが、自分の若いときもそうだけど、歳をとってから初めて有難みがわかるというか。
私もデザイン系の学校に行っていたので共感できる部分もあり、もっと学生時代一生懸命生きればよかった、私の場合は親に対してですが申し訳なかったなあとしみじみ思わせられる漫画でした。
いい格好せずにありのまま若かった自分の恥ずかしい部分を描かれているのが好感が持てるし、だから共感できるのだな。いや、若いときってみんなそんなもんだってw

美大受験を考えている若い人はもちろん、漫画家を目指している人にも是非読んで欲しいです。絵を描くこと、漫画を描くことは自分が思っている程甘くないんだよという東村さんの熱いメッセージが込められています。

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