飴菓子(1巻)群青 の感想

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「古狼」の血をひく少年と古狼の餌となる「飴菓子」の少女との切ない純愛ファンタジー。古狼族は飴菓子に自分の血を飲ませ、大切に育てたのち、1年後に彼女を食べなければ死んでしまう。しかし共に生活を送るうちに二人の間に愛情が芽生え・・・

※以下ネタバレ注意です。

飴菓子(1巻)のあらすじネタバレ感想

「古狼」の血をひく少年「糸巻」は、食べ物を一切受け付けない「飢餓期」に入ってしまいます。この状態を脱する方法は、古狼の谷に生息する小さな少女の姿をした「飴菓子」を見つけ出し、1年間自分の血を吸わせて育て、彼女を外敵から守り、やがて熟した彼女を食べること。
糸巻は古狼の谷で自分だけの飴菓子を見つけ、彼女との共存生活が始まりますが、飴菓子を横取りしようとする外敵や空腹状態との戦いに苦しみます。
空腹の糸巻は、飴菓子の甘い美味しそうな匂いに今すぐにでも食べてしまいたくなるのですが、熟す前の飴菓子は「毒」を持ち、食べると死んでしまうというやっかいな生き物。
自分は満たされないのに、飴菓子の食料は「古狼」の血なので、自分の血を与えなければなりません。
苦しむ糸巻ですが、共に生活するうちに二人の間に愛が芽生え始めます。
彼女が熟したときに食べなければ、古狼は飢えて死に、飴菓子もそのまま腐って溶けてしまいます。その日が来れば糸巻は究極の選択をしなければなりません。
やがて二人の共存生活は1年が経ち、とうとう別れの時がやってきます・・・

と、ここまでが1・2話目のお話で、3話目からはそれから10年後のお話となります。

街では飴菓子の人工栽培に成功し、人間の手によって大量生産され売買される商品となっていました。
成長した糸巻は、なにかの組織の仕事をしているようですが、ここではまだ明かされていません。
ある日糸巻は、人間に捕らえられ街に連れてこられた“天然物”の飴菓子を偶然助け出すことになります。
糸巻は自分の血をその飴菓子に与え、彼女を匿うことになるのですが、10年前の飴菓子との出来事が今でもトラウマとなり苦悩している様子。

色々と謎を残しながら次巻へと続きます…


ふだん、あまり異世界とか人外とかのSFファンタジー物をあまり読まないんですが、もうなにこれ、超好き。
色々切なすぎて、辛いです…(´;ω;`)

古狼と飴菓子はお互い喰って喰われる関係なんですが、物語の中で出てくる他の古狼と飴菓子ペアは、だいたいその関係の中に愛が生まれていて、愛するが故に飴菓子を食べることができずお互い死んじゃったり、人間の手によって引き離されたりと悲劇がたくさん生まれます。

糸巻くんペアも愛が生まれますが、最後の夜、飴菓子は身も心も糸巻くんに食べて欲しいと願い、糸巻くんもそうすることを選択しますが、のちのちそれがトラウマとなっているようで、そのことが今後のお話で展開されていくようです。

1・2話の少年時代の糸巻くんの飢餓期のお話はどうやらプロローグで、3話目以降の10年後のお話が本編になるのかな。もうプロローグで(´;ω;`)ブワッてなったけどw

糸巻くんと飴菓子ちゃんのお別れの日のシーンがね、めっちゃ泣いちゃったわ…

はー、胸が苦しい… でも早く続きが読みたい…

電子書籍では分冊版もあって、1話100円で読めますので、そちらもおすすめです。

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